一般的に「ニューワールド」という大分類がされるオーストラリアとニュージーランドのワインですが、近年それだけではもはや収まらない、驚くべき変化が現在進行形で起こっています。
例えばオーストラリアでは、1998年時点で800社ほどであったワイナリー数が近年では2400社近くにまで爆発的に増えており、そのほとんどは個人や家族経営による小規模なマイクロワイナリーです。
また、ヨーロッパ大陸の約7割が入るほどの広さを誇るオーストラリア大陸ですが、実際にワイン用のブドウが栽培されている面積は存外限られており、フランスの一地域であるボルドーと大きく変わりません。
それに加えて、極めて多様なテロワール条件に恵まれたワイン産地が多く拓かれており、それらから実にカラフルな個性を持ったワインたちが生産されています。

さらに、近年人気の高まりを見せている「Cool Climate / 冷涼な気候」から造られる「Drinkability / 飲みやすさ」に溢れたスタイル、イタリア系品種に代表される「Alternative / オルタナティブ」と呼ばれるマイナー品種栽培の広がり、そして世界的にも高い評価を得ている「Natural wine / ナチュラルワイン」の勃興が重なり、非常に刺激的なワイン生産国へと変貌を遂げています（そしてそのトレンドはニュージーランドにも波及してきており、今後そのスピードは増していくと思われます）。
元々伝統的なことよりも進歩的な気風が好まれる国ということもあり、常にスピーディかつダイナミックな変化を見せてくれるのがその大きな魅力と言えます。

その中で我々kpオーチャードでは、実際に現地に赴き、畑を訪れ、造り手と語らうことで感じたことを信じてワインの買い付けを行うようにしています。
そうすることで初めて、世界的に見ても極めて洗練されたワイン市場を有するこの日本においても、「飲むべき価値」があるワインを皆様へご紹介していけると信じています。